キハ85系からHC85系へ世代交代
30年以上高山線、紀勢線の特急「ひだ」「南紀」として活躍してきたキハ85系に代わり、2022年7月より運用開始されたのが新型HC85系。HCというのはハイブリットカーのことで、従来のディーゼルエンジンによる駆動ではなく、エンジンで発電した電気をバッテリーに蓄え、モーターを駆動させる新しいハイブリット式電車。クルマのプリウスなどとは違い、駆動はモーターのみで、エンジンは発電専用です。
特急「ひだ」は昨年(2022年)7月より、一部がHC85系で運用が開始されていましたが、2023年3月18日のダイヤ改正で、全ての「ひだ」がHC85系に置き換わりました。
そして、2023年7月9日ラストランイベントで、最後のキハ85系が高山駅を名古屋へ向けて出発しました。それ以来、高山線内でキハ85系を見ることはなくなりました。
今回はそんなHC85系しかいない高山線の撮影をしてきました。
少々長い記事になりますが、最後までご覧ください。
HC85系
ハイブリットと聞いて、先鋭的で近未来的なイメージを持ちがちですが、構おちゃめな顔をしています。「おでこ」がチョコレート色で、はじめは違和感がありましたが、私的にはここがチャームポイントで、おしゃれデザインだと思えるようになりました。
後から知ったのですが、チョコレート色ではなく、飛騨・南紀地区の「木」の色。赤みがかった茶色をイメージしているそうです。
最初の1枚は、はずかしげに藪から半分顔を出す「コンニチハ僕HC85です」という感じの作品です。
やっぱ近未来的 (上麻生~白川口)
朝一で、ひだ1号(名古屋発)と3号(高山発)を「6本松踏切」から「5本松トンネル」を抜ける所を撮影します。
6本松踏切と5本松トンネルは目と鼻の先ですが、松が1本減るのなぜでしょう。そもそも松なんて1本もありませんが。
HC85系は後ろ姿のほうがカッケーです。おでこが赤く光ります。木が燃えているようですが。
進行方向前面は、高輝度LEDライトの強い光のせいで、デジカメがバクり残像が残ります。
焼石駅
焼石駅へ向かいます。ちょうど普通電車が踏切を通過して行きます。
踏切標識ですが、パンタグラフがあるのは変だよな。という突っ込みをしてはいけません。
丸窓のある駅舎が特徴的な焼石駅。駅前に自動販売機があるので、ここで必ず水を買いましょう。
「やけいしの水」です。言いたいのはそれだけです。
焼石駅を通過するHC85系
小坂町旧国道41号線沿い (飛騨小坂~渚)
災害で長らく通行止めになっていた旧国道41号線飛騨川沿いの道路が完全復活していました。
飛騨川の対岸を数キロにわたり高山線と並走する道路からは、四季に応じて様々な撮影が可能で、どこをどう切り取るかで、バラエティーに富んだ写真を撮ることができます。
特に紅葉の季節がいいのですが、夏もまぶしい緑が良いです。
高山市一之宮 ~田園のループ坂~ (飛騨一ノ宮~久々野)
以前撮影したこちらの写真をご覧ください。(2022年5月撮影)
高山市一之宮の田園の中を大きく曲がりながらループ坂を下りてくるキハ85系。ここは久々野方面から宮トンネルを出た列車が大きくループしながら徐々に高度を下げ、飛騨一ノ宮駅に降りてくる場所で、途中にある田園の中の踏切がいい味を出しています。
本当は同じ場所からも俯瞰撮影したかったのですが、撮影地であるスキー場(モンデウス飛騨)位山は頻繁に熊の目撃情報があり、熊に会いたくなかったのであきらめました。
ということで、下から撮影します。田園の中の小さな踏切を行く軽トラが「ゆる~い」感じでいいでしょ。踏切標識が「蒸気機関車じゃねーか」という所は突っ込むところです。
R260ループを下りてくるHC85系
宮トンネルを出たHC85系は民家よりはるかに高い位置から大きく右に曲がりながら降下を始めます。
ループを曲がり切って正面を向くHC85系
ループを行くHC85系を引きで撮影。後撃ちですが気にしないでください。もちろん同一列車ではありません。
ぎっしり実った稲穂の中を急降下するHC85系。急こう配であることがよくわかります。
そして小さな踏切を通過してさらに右カーブしながら飛騨一ノ宮駅へ向かいます。
R=260の警告。ここから撮影すれば良かったと、激しく後悔。
俯瞰撮影場所を求めて
俯瞰撮影があきらめられなくて、熊のいない小高い丘を目指します。
宮トンネル出口付近の墓地あたりから小さな踏切を見下ろしていますが、夢中で撮影していた時には見えなかった電線が映り込み、ピントは外しているし、残念な結果でしたが、せっかくなので掲載しておきます。
この日の高山市の最高温度は39度で、熱中症警戒アラート発令中の中、カメラと三脚持って、3時間近く炎天下の中歩き回りました。帰りの車の中で、足がつってヤバかったです。何かが不足していたのでしょう。
高山市一之宮地区は素敵なところでした。違う季節に再訪問したいと思います。
編成写真的な写真
最近めっきり撮らなくなった編成写真を撮影
下原ダム湖(飛騨金山~焼石)
日没迫った帰り道。高山線の定番撮影地下原ダム湖で最後の撮影です。
シャッタースピードは追いつかず、ぶれていますが、高山から名古屋へ家路を急ぐ、長編成の特急ひだが駆け抜けて行きます。
ありがとうキハ85系
当たり前ですがこの日、高山線内でキハ85を見ることはありませんでした。
最後にありがとうの気持ちを込めてキハ85系の写真を無言で貼っておきます。
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