大浜街道を自転車で走ってみました。
その模様をお届けします。
大浜街道とは
愛知県碧南市に大浜という地区があります。
大浜は海辺の港町で、現在も海産物の水揚げがあります。
さらに味噌、たまり、みりんなど酒造業も盛んです。
かつては、大きな砂浜があり海水浴客で賑わった時代もありました。
そんな大浜と尾張地方、さらには信州方面に物資を輸送したり、人々の往来を担った道。
それが大浜街道です。
現代の大浜街道
現在、物資輸送の主要道路は国道247号線、366号線、419号線が整備され、
狭く曲がりくねった大浜街道の役目はそれらに引き継がれましたが、
大浜街道の道筋は県道50号線として現存しています。
碧南市大浜から高浜市、刈谷市、東浦町、大府市、名古屋市緑区の旧東海道鳴海宿へ続く道。
さらに刈谷市から分岐して旧東海道知立宿方面へもつながっていました。
旧街道探しサイクリング
県道50号線をベースに旧街道であると思われるルートをGoogleマップで作成してみました。
もちろん鎌倉時代や江戸時代に整備された旧街道の道筋はほぼ消滅していますが、わずかな名残やほころびを
探しながら自転車を走らせます。
碧南市大浜 港橋からスタート

碧南市大浜の港橋北交差点からスタートします。
交差点にあった建物のが取り壊され海徳寺の境内が見えるようになりました。

振り返ると旧大浜警察署があります。
新川橋

かまぼこ形の屋根のある橋が「新川橋」です。
ここまで県道50号線をそのまま走っただけで、旧街道ぽさは全くありません。

新川橋を渡ってすぐ左の中華料理店を左折して川沿へ数メートル行くと
右側に細道があります。

最近建った新築の住宅もありますが、ここは旧大浜街道の様です。
百メートルほど進むと突き当たり、旧街道は再び県道50号線へ吸収されます。

緩い坂を上りながら右に大きく曲がります。
県道50号線「名古屋碧南線」の表示が確認できました。
高浜川先の旧街道

県道50号線を進むと高浜川にかかる高浜橋を渡ります。
大浜街道はこの橋を渡ってすぐに左に逸れて進みます。

工場裏の細道をショートカットする形で進み再び県道と合流します。
高浜市内の旧街道
高浜市内の旧街道を進みます。
この辺りが最も旧街道の雰囲気があり、自転車で駆け抜けてしまうにはもったいないくらいで、
日を変えてゆっくり歩いてみたいとも思いました。

横浜橋北という歩道橋のある交差点あたりで旧街道を見失います。
とりあえず直進します。

レトロな店構えの理容店先の細道を右に入ってみます。

クルマ同士のすれ違いがギリギリできるかどうかという細道の両脇には古い建物、新しい建物が
混在しています。魚仙本店とありますが、魚屋さんでしょうか。

古そうな石垣の建物
細い坂道を行く街道

旧街道は何度も県道と合流したり横切りながら進みます。
土管坂から鬼みちへ進みます。
鬼みちとは?
高浜市は三州瓦の産地であり、「鬼みち」とは飾り瓦や鬼瓦をみながら歩く高浜市の
観光散歩道です。

鬼みち沿いに置かれた飾り瓦。

曲がりくねった街道は坂道が続きます。

地元では旧道坂といわれている。
吉浜地区の旧街道
名鉄吉浜駅付近の旧街道は古い商店が軒を連ね旧街道の雰囲気がまだまだ残っています。
自転車の前面に搭載したカメラ(GoPro)で撮影した動画を切り取って紹介してきましたが・・。
刈谷市小垣江
カメラの故障に気がついてからはデジカメ撮影に切り替えましたが、いちいち停車して撮影する
必要があるので撮影頻度が激減します。

猿渡川にかかる巡回橋
この橋を渡ると片側二車線の大通りとなり、刈谷市街地へ向かいます。
大道りと平行してわずかに旧街道が残っているようですが、今回は端折りました。
東浦町
3つの川(逢妻川・境川・緖川)を渡り三河から知多(東浦)・尾張方面へ向かいます。

JR武豊線をアンダークロス

緖川北交差点を直進して突き当たりを右へ進みます。
ここから、大浜街道は師崎街道(緖川街道とも言われる)と合流して大府方面へ向かいます。

東浦の旧街道は細く入り込んだ場所があり、分岐をどちらに進むか迷います。
大府市へ

東浦を後にしてここで、石ヶ瀬川、JR武豊線、JR東海道線を渡ります。
ちょうど武豊線の電車が通過していきました。

細く曲がりくねった旧街道を進むと、JR東海道線をオーバークロスする国道155号線の
跨線橋下をくぐり抜けます。

大府駅周辺は区画整理が進み、かつてたくさんあった木造住宅や商店がなくなり
空き地になったり高層マンションの建設が進みました。
県道50号線(旧道)はバイパスができたおかげで交通量は激減しました。
共和駅西側

大府駅から共和駅へ向かう旧街道はほとんど残っておらず、わずかに残る線路西側を進みます。
大高・鳴海地区

大高・鳴海には意外にも旧街道の名残があり、細く入り組んだ道があちこちにあります。
この辺りから、師崎街道と常滑街道、大浜街道は合流して東海道鳴海宿へ向かいます。

東海道本線、東海道新幹線をアンダークロスする旧街道

鳴海八幡宮付近の旧街道。横断歩道をわたり旧街道は続きます。
旧東海道鳴海宿へ

まっすぐ鳴海へ伸びる旧街道。正面は名鉄鳴海駅です。

京田交差点で国道1号線を横断します。
旧東海道鳴海宿「作町」交差点

扇川に架かる鳴海橋先の「作町」交差点で大浜街道は旧東海道と合流して終了します。
碧南市の大浜からおよそ34キロの道のりを大浜街道として自転車で走行してみました。
高浜市内の狭く曲がりくねった坂道が最も旧街道ぽく、印象に残りました。
むかしの大浜の人々は、海産物などを卸すために朝早く大浜を出てここまで来たのだろうか。
道がなければ経済発展もない。今も昔もそこ変わりがないのだろうと感じました。
大浜街道 Google Earth Tour
カメラ故障により後半を中途半端に端折ってしまったので、
Google Earth Tour を使用してYouTubeでドローン風ツアー動画を作成したのでご覧下さい。
大浜街道をドローンから俯瞰できる事でしょう。
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