【豊明市】豊明駅開業100周年 〜日本一大きな無人駅〜 | Silent Dream | an氏の雑記

【豊明市】豊明駅開業100周年 〜日本一大きな無人駅〜

名鉄豊明駅開業100周年

名鉄豊明駅が開業100年を迎えました。

豊明駅の南北連絡通路に豊明市観光協会が張り出したポスターです。

改札前の通路に「日本一大きな無人駅」の顔出しパネルも設置されました。

このパネルは豊明市がPRのため、地元豊明高校イラストレーション部に依頼し作成されたものです。
パノラマカーに乗っているのは豊明市のPRキャラクター「のぶながくん」と「よしもとくん」です。

豊明駅の歴史

1923年に「阿野駅」として開業され、今年で100年という事です。
現在も豊明駅は阿野町であり、近くにある旧東海道の阿野一里塚は両側に塚が残っている貴重な
一里塚というこ事で「阿野」という地名は一里塚でも有名です。

当時の駅の写真などは見つけられませんでしたが、国土地理院の航空写真(1945年)に駅が写っていました。

出典:国土地理院空中写真閲覧サービスより(一部を拡大して表示)1945年4月6日撮影

非常に分かり辛いのですが、中央よりやや左の黒い物体がホームの屋根と思われます。

旧東海道は今も変わらず残っていますが、国道1号線、23号線、伊勢湾岸自動車道は影も形もありません。

国土地理院のサイトで確認できた最古の写真で、戦時中であり、撮影は陸軍とありました。

出典:国土地理院空中写真閲覧サービスより(一部を拡大して表示)1948年9月27日撮影

終戦後の1948年には、もう少し鮮明な写真がありました。
当時は愛知電気鉄道で、まだ単線で、1面1線で交換設備もない駅だった様です。
境川を渡る鉄橋はトラス橋に見えます。

出典:国土地理院空中写真閲覧サービスより(一部を拡大して表示) 2020年9月5日撮影

そして現代(2020年)の様子です。

随分巨大な駅になり、周りの様子も激変しています。

しかし、この巨大な駅が「無人駅」というのがちょっと話題になっています。

日本一大きな無人駅

さっそく、日本一大きな無人駅を訪問して来ました。

一見立派な駅舎の様に見えますが、これは豊明市が管理する南北連絡橋で、巨大な歩道橋とも言えます。

駅前では、豊明市のコミニュティバスが出発を待っていました。

巨大歩道橋の階段は、窓がステンドクラスになっており、自転車の押し歩きも可能です。しかし駅の東側に地下通路もあるので、ここを自転車押して歩く人を見たことはありません。

階段を上ると誰もいない広い通路の中央に顔出しパネルがポツンと立っていました。

立派な建物に対して、人影がなく、暗い照明に少し違和感というか、廃墟感すら感じます。

改札は自動改札機が3基設置されていますが、改札窓口はシャッターが降りています。

券売機で切符はもちろん、ICカードのチャージも可能で、マナカ定期の継続購入も最近可能になりました。ある意味、もう駅員がいる必要もなくなったと言えます。

なにかあれば、インターホンで名鉄の係員と会話もできます。

こちらは北口です。エレベーターも設置されており、バリアフリーになっています。

日本一大きな無人駅と言われる理由

この駅が日本一大きな無人駅と言われる理由は、ホームの数にあります。3面6線(3つの島式ホームと6本の線路)そんな巨大駅構造で無人というのが全国的にないらしいです。

名鉄なら金山駅ですら2面4線。犬山駅が3面6線ですが、犬山線、広見線、小牧線のターミナル駅です。もちろん有人駅です。

駅としての設備は満たされている

全てのホームに対して、エレベータもしっかり設置されており、ホームの放送設備(スピーカー数)もホームが多い分金山駅より大規模らしいです。

ホームは全て8両対応で、仕切りのある待合室が全ホームに設置されているし、更に全てのホームに缶ジュースの自販機が設置されていました。

ホーム上にも名鉄係員と会話できるインターホンが設置されていました。

もちろん始めから無人駅として巨大な駅を建設した訳ではなく、複雑な経緯はあります。

2004年8月までは有人駅でした。

準急佐屋行きの始発、終着駅

準急佐屋行の始発駅であり、終着駅でもあります。

名古屋駅で電車待ってると30分に1本「準急 豊明行」が来て、何なんだよ!となるやつです。

基本的に準急停車駅ということですが、なぜか1時間に2本も急行が特別停車します。
日本一大きな無人駅というだけでなく、謎の多い駅でもあります。

豊明検車支区

実は豊明駅の1番2番ホームは豊橋側へ繋がっておらず、その先には豊明検車支区があります。
一言でいうと、電車を点検整備する場所です。

更に奥には電車を留保しておくヤードがあります。

望遠レンズで覗いてみると電車の洗車機が見えます。

いつも居るとは限りませんが、名鉄の電気機関車を見ることができます。

この日は中間に線路のバラストを撒く貨車が付いた状態で留保されていました。

豊明市の玄関駅はお隣の「前後駅」

豊明駅は市名の駅ではありますが、豊明市の玄関駅はお隣の「前後駅」です。
お隣が発展して中心が移って行くことはよくあることです。

前後駅は「ぜんご」と読みます。

ちなみに「前後」というのは豊明市前後町の「前後」であり、町名が駅名になっています。
「前後」という不思議な町名の由来の説が色々あって、その一つに
桶狭間の合戦で今川軍の首を討ち取った武士が長い棒の前後に首をぶら下げて歩いていたと
いうものがあります。これはこれで怖いけど、面白いのですが・・。

もともと前後は何もない場所で、東海道沿いに三ツ谷という郷(現在の三ツ谷町)があって、その手前にあったので「三ツ谷の前の郷(ぜんごう)」と言われ、それがいつの間にか「ぜんご」となり「前後」という漢字があてられたと言うつまらない説が最有力候補らしいです。

しかし、どれも未だ候補にとどまっています。

大きすぎる無人駅が100周年を迎えた記事でした。

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