かつて観光で栄えた名鉄蒲郡線
東幡豆町入会山展望台から俯瞰した前島と沖島。
かつての「うさぎ島」「猿ケ島」である。
1997年にうさぎ島、猿ケ島は閉園し、島へ渡る航路も廃止されている。
当時は、うさぎ島、猿ケ島へ行くための蒲郡行きの観光特急が名古屋方面から直通運転されていた。
現在特急は廃止され、直通運転もはなく、吉良吉田駅でワンマンカーに乗り換える必要がある。
手前が前島(旧うさぎ島)で現在は無人島。大潮で潮が引くと島まで歩いて渡ることができるが、
潮干狩りシーズン限定。(有料)船も運行されるようだ。
かつて繁栄した温泉(西浦、形原)なども衰退してしまったと言わざるを得ない。
存続問題
蒲郡線は「不採算路線」大赤字である。
沿線自治体(蒲郡市、西尾市、愛知県など)からの補助を受け、2025年度までの存続は決まって
いるものの、その先はまだ決まっていない。
モータリゼーションへの移行、レジャーの多様化、時代が変わったと言ってしまえば
それまでだが、沿線の人口減少、少子高齢化、鉄道が繁栄する要素が見当たらない。
しかし、沿線自治体と名鉄が一体となって存続に向けた具体的な施策を模索している現状である。
2022年からはじまった6000系車両のリバイバル塗装。
7700系白帯特急を模した6000系から始まり、2023年、新たに加わった旧塗装の6000系。
三河鳥羽駅で並んだリバイバル塗装。
鉄オタ目線の蒲郡線
名鉄にはかつて、谷汲線、美濃町線、八百津線などいわゆる「エモイ」路線が数多くあったが、
すべて廃線済み。
存続している広見線末端、御嵩方面もいいか、蒲郡線はかなりエモイ。
しかし、その魅力に気付けるのは私のような鉄オタだけ。
三河湾沿いを走る蒲郡線だが、乗車してみるとさほど海は見えず、撮り鉄していても海と絡む
場所はさほどない。しかし、蒲郡線の魅力は海と鉄道にあると私は確信している。
前島をバックにゆるい坂を登る6000系リバイバルカラー
遠方からもぜひ蒲郡線を訪問してほしい
地元鉄オタ(撮り鉄)である私にも何か出来ることはないかと、蒲郡線の魅力を伝えるべく、
撮影を始め、ここ最近土曜、日曜で5週連続で蒲郡線を訪問している。
これから紹介する写真をみて、遠方からも多くの鉄道ファンに蒲郡線を訪問してもらいたい。
魅力を伝えたいそんな思いである。
これからのローカル鉄道は、人を運んで収益を得る事はもはや不可能であり、観る鉄道、
癒やしの鉄道、そんなところを存在意義にしていくしかないと感じている。
海と線路が見える場所を探す
車と電車で移動しながら徒歩で撮影ポイントを探していたが、効率が悪いので、最近は車に
自転車積んで行き、現地で自転車降ろしてその機動力を活用している。
小さなガータ橋の隙間から見える海。更にその隙間を一瞬通過する列車を絡めて撮影。
小さな踏切の向こうに見える港と海。その隙間を一瞬通過する列車。
見えなさそうで見える、撮れなさそうで撮れる、このチラリズムが蒲郡線の魅力の一つです。(私感)
愛知こどもの国
蒲郡線沿線に愛知こどもの国という県営の公園がある。
写真は西浦半島(対岸)の松島から望遠レンズでこどもの国のゆうひが丘を撮影。
最寄り駅に「こどもの国」駅があり、途中駅では唯つ6両対応ホームがある大きな駅だが、
名鉄でも乗降客の少ない駅ランキングで常に上位をキープしている。
最寄り駅と言いつつ、少々離れておりさらに山の上。電車で来る人は少数派。(ほぼいない)
モータリゼーションと伴に役目を終えた駅と言わざる得ない。
そんな悲壮感ある駅だが、唯つホームから海を見ることができる駅でもある。
蒲郡駅からも見えるかも知れないが・・・。
ゆうひが丘展望台
蒲郡線の俯瞰撮影をするなら愛知こどもの国のゆうひが丘展望台がオススメです。
もちろん蒲郡線だけでなく、西浦半島、西浦湾とさらにその向こうには渥美半島を
望む事もできます。
望遠レンズを使えば、こんな風景を切り取る事もできます。
東側を超望遠レンズで覗くと幡豆街道の踏切を一瞬横切る蒲郡線が見えます。
五感を研ぎ澄まし一瞬のシャッターチャンスを狙います。
一箇所で色々な俯瞰撮影を楽しめるゆうひが丘展望台。
展望台以外にも、こどもの国のゆうひが丘から東幡豆駅を俯瞰できる場所がある。
夕暮れ迫る東幡豆駅に入線する6000系白帯。
西幡豆駅
ローカルムードあふれる西幡豆駅
東幡豆駅
東幡豆駅を降りると「かぼちゃ」と書かれた看板が目に入る。
近くに「かぼちゃ神社」なるものがあるので、東幡豆を訪れた際にはぜひ立ち寄って頂きたい。
詳細は割愛します。
写真はありませんが、踏切近くにあるマンホールの蓋に注目。
うさぎ島・猿ケ島バージョンになっている。
三河湾を一望できる場所
左に見えるのは渥美半島。伊良湖岬の海上保安本部の監視塔がはっきり確認できる。
右側は知多半島、その向こうは伊勢なのか。
自転車で頑張って丘を登った甲斐があった。
蒲郡線を象徴する1枚と言っていいと思う。
蒲郡線ギャラリー(写真集)
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